若手社員の派遣するケース
背景
A社は今後の生産拠点の海外展開に向け、若手技術者の育成が急務となってい ました。そこで新製品のための生産設備の導入が行われるアメリカの現地法人 に、入社2年目のスタッフを派遣し、実務研修を通して経験を積ませることにしました。
問題
実務研修という位置づけから、まずはOJTが認められているJビザが検討されま した。入社2年目であり、大学の専攻内容も工学系のため、問題ないように思わ れました。ところが研修内容が自社の製造技術に関するものであり、「Jビザの 進んだものを学ぶ」というJビザの研修目的の要件を満たしませんでした。
・次に就労ビザのうち、就労経験を求められないH-1Bを検討しましたが、すでに 年間65,000の枠は埋まっており、派遣可能なのは翌年の10月と、研修のスケ ジュールに合いませんでした。
解決の方法
研修ビザ、就労ビザの可能性がなく、なにか他の方法はないかと相談を受けま した。基本的な質問でJビザもH-1Bも申請はできないことはすぐに確認しました が、さらに質問を重ねるうちに申請者の大学院での研究内容と、業務の一環とし て行っている研究が一致し、さらに新製品の製造技術にも関連していることが分 かりました。そこで単なる研修生ではなく、高い専門性を持つ生産設備導入プロ ジェクトの一員としてE-2(TDY)を申請し、無事発給されました。
ポイント
若手社員の派遣の場合、渡米させることが目的であり、現地での業務内容はビ ザに合わせて変えるというケースは少なくありません。そのため必ずしも研修だ けではなく、就労や時には商用のビザも選択肢となります。ただしビザ申請のた めに実体とのかい離が大きくなれば、虚偽申請となりますので注意が必要です。